ロングかショートか、どちらにエントリーを行えばよいのか迷ったとき、トレードの期間に合わせてチャートを開き、方向を決める方が多いと思います。
スキャルピング⇒5分足
デイトレード⇒1時間足
スイングトレード⇒日足
スイングトレードでエントリーするとき、まさか5分足の方向性まで見る方はいないでしょう。反対にスキャルピングを行うのに、日足までチェックする方は少ないと思います。
しかし、精度の高いトレードを行うためには、トレード期間に合うローソク足だけでなく、上位足も見ながらトレードを行った方が良いと言われています。
そして、複数の時間軸を使った分析のことは、マルチタイムフレーム分析と呼ばれます。
上位足に優位性あり
マルチタイムフレーム分析では、上位足と下位足という言葉の意味が非常に重要な意味を持ちます。
上位足と下位足とは
上位足・・・現在見ているローソク足よりも、長期の足
下位足・・・現在見ているローソク足よりも、短期の足
どの時間軸が上位足、下位足ということではなく、あくまで相対的に見ての話になります。
(例)15分足と1時間足⇒15分足から見て1時間足は上位足。1時間足から見て15分足は下位足
上位足と下位足の流れが違う場合は?
上位足と下位足の流れが同じであれば、その流れに従ってエントリーを行っていけば良いのですが、もし上位足と下位足の流れが違っていればどうすればよいのでしょうか。
日足が上昇トレンド、1時間足が下落トレンドである場合、優位性があるのは日足の上昇トレンドになります。
下位足の流れは上位足に飲み込まれることが多い
そして上位足に優位性があるという点が、マルチタイムフレーム分析で一番の肝になります。
下位足の波は、上位足の波の中で発生するものです。下位足の流れが上位足に反していたとしても、やがて上位足の流れに飲み込まれる可能性が高いでしょう。
エントリーの方向は上位足で、タイミングは下位足で判断
上位足に優位性があるということで、エントリーの方向性は上位足で判断します。その後、エントリーのタイミングを下位足で判断します。
デイトレードの例
実際にデイトレードを例にマルチタイムフレーム分析を考えてみましょう。
上位足⇒日足
下位足⇒1時間足
まずは上位足の日足をチェックします。テクニカル的に見て、下落トレンドであることが分かりました。

上位足の流れから、エントリーはショートで仕掛けていくことに決定です。
続いて丸印の1時間足を見て、エントリーポイントを仕掛けるタイミングを計っていきます。1時間足を表示させると、3つのエントリーポイントが見えてきます。

①反発を狙ってショートでエントリー
②高値を更新しないことを見てショートでエントリー
③1時間足で見た下落トレンドの戻り目を狙ってショートでエントリー
今回は日足と1時間足を使いましたが、4時間足と15分足など、ほかの時間足を組み合わせてもよいでしょう。
エントリーポイントはテクニカル指標などで判断
エントリーポイントは、ライントレード、 戻り目売り、ブレイクアウト、テクニカル指標の節目などを基準に探っていきましょう。
多少エントリーが甘くても、上位足の流れに逆らっていなければ、やがて上位足の優位性がローソク足に現われます。結果として大きな損失が出ないことはもちろん、まとまった利益につながることも多いものです。
エントリーが甘くなってしまう初心者の方は特に、マルチタイムフレーム分析を頭に入れ、上位足の流れに逆らわないトレードを行うことをオススメします。
上位足の流れをチェックして、優位性を享受しましょう。
ファンダメンタルズ分析も行うべき
最後にマルチタイムフレーム分析を行うときの注意点を紹介しておきます。
チャートを切り替えながら行うマルチタイムフレーム分析では、ついついテクニカル分析に注意が行きがちです。しかし、2つの意味において、マルチタイムフレーム分析でのファンダメンタルズ分析が重要になります。
①長期の分析ではファンダメンタルズが重要になる
これから数週間や数か月といった中長期的な予測を行う際は、ファンダメンタルズ分析が欠かせません。特にスイングトレードやポジショントレードを行う場合はファンダメンタルズの環境を把握することが大切になります。
また、デイトレードであっても、上位足には8時間足や日足などを用いるため、やはりファンダメンタルズの要因も考慮しなければなりません。
②ファンダメンタルズの環境が変わると、これまでの相場の流れが一変することがある
新型コロナウィルス関連のニュース、重要な経済指標の結果などで、ファンダメンタルズの環境が変わることがあります。
すると、テクニカル分析を打ち消すような、相場の変化が起きることも少なくありません。ファンダメンタルズを変化させる要因には、しっかりとアンテナを張っておきましょう。
コメント